芸術

小学生の子どもを絵画教室に通わせたい!絵画教室を徹底解説!

描いた絵を持って立つ小学生

たくさんの習い事の中から、子どもにぴったりの習い事を選んであげることは親の大事な役割の一つです。
「うちの子はお絵かきが好きだから、本格的に絵を習わせたい!」と考えている方もいらっしゃることでしょう。

でも、何も考えずに勢いだけで、身近にある絵画教室へ子どもを入れてしまうのは避けたいものです。
絵画教室を決める際に、事前に知っておいていただきたいことをお伝えします。

絵画教室ってそもそもどんなところなの?

一口に絵画教室といっても、さまざまな特徴を持った教室があります。
しかし多くの絵画教室では、生徒に道具の使い方や、鉛筆・筆の持ち方、描き方などを教えてくれる点は共通しているようです。

家では汚れるのを恐れて、なかなか自由にさせてあげられない絵具を使った作品や版画にも、絵画教室でならのびのびと取り組ませてあげることができますね。

小学生向けの絵画教室では、生徒は皆同じ画材を使い、共通の対象物を描くことがほとんどですが、生徒それぞれが異なった画材やテーマで作品を作らせる教室もあります。
さらに、出来上がった作品を集めて作品展を開き、お互いに品評させる活動を取り入れているところもあるようです。

教室によっては、ハサミやカッターなどの安全な取り扱いの方法や、筆洗機の使い方など細かな点まで指導してくれます。

子ども自身が絵画教室で「どのような活動をして、何を身につけたいのか」、親は「何をやらせたいのか」を親子で話し合って、目的に合った教室を選ぶと良いでしょう。

月謝やそれ以外の費用はどのくらいかかるの?

小学生向け絵画教室の月謝は、週1回、60分~90分で5000円~8000円程度が一般的です。
月謝以外に、月謝1ヶ月分ほどの入会金がかかる場合もあります。
また、スケッチブックや鉛筆・水彩絵の具などの画材の購入費用が別途必要になり、購入する道具を指定している教室もあります。
大きな展覧会に出品する時はそれなりの費用がかかることもありますが、そうでなければ、費用は他の習い事とさほど変わらないようです。

小学生向け絵画教室の雰囲気はどんな感じ?

一般的に小学生向け絵画教室では、静まり返った雰囲気の中で、生徒が黙々と制作をすることあまりありません。
幼稚園のお絵かきの時間のような和気あいあいとした雰囲気の中で、子どもたちが楽しく制作することが多いようです。
絵画教室の様子
作業を開始する時間も厳格に決められておらず、比較的自由な感じです。
多くの教室では、子どもたちが、教室に到着した順に、課題に取り組み始めるスタイルをとっています。
先生の指示のもと一斉に作業を開始する教室だと、「子どもが時間を必要以上に気にして、他の子の進行具合を比べてしまって良くない」と考えている親御さんの意見を聞いたことがあります。

その点、来た順に始める教室だと、自分のペースで作品作りに没頭できるのが良いというメリットがあります。

とはいえ、どちらのタイプの教室が良いのかは、子どもの性格によっても違います。
学校の授業のように、みんなが一斉に描き始めて、決められた時間内に集中して作品を仕上げるのが向いている子どももいます。
親は、子どもの性格に合った教室を見極める必要がありますね。

絵画教室への疑問点

絵画教室に1日体験や見学をしても、教室の先生には直接聞きにくい質問もありますよね。
多くの親御さんが持つ疑問点について触れておきましょう。

どんなことが身につくの?

そもそも絵画教室に通う子どもたちは、もともと絵を描くことが好きな子が多いと思います。
絵を描くのが好きで、「絵をもっと上手に描けるようになりたい!」と強い意欲のある子どもは、環境を整えてあげればメキメキと上達するでしょう。

ゆくゆくは、子どもに個性的な絵を描けるようにしてあげたいと思ったら、まずは基礎を身につけさせることが大切ですが、絵画教室では基礎的な技術指導を受けさせてくれます。

絵を描くことは自己表現をすることなので、子どもが自分の考えや思いを表現する訓練にもなります。
絵画を通して日ごろから自分の意見を持つ習慣をもてるので、子どもは自主的に行動することができます。
さらに、創造力・想像力・表現力を駆使して作品を作り上げた時の達成感は子どもに大きな自信をつけさせることが可能です。

しかし、絵画教室選びを間違えてしまうと、期待していたような効果が得られない場合もあり、注意が必要です。

さまざまな教室に通った人々の口コミを調べてみると、絵画教室の中には、「先生は教室にいるだけで、ほとんど指導をしてくれなかった」「子どもに自由に描かせるだけだったので、もっとちゃんと指導して欲しかった。」という意見が多くありました。

先生は、生徒にのびのび描かせたいから、あえて口を出さないのかもしれませんが、絵画教室へ子どもを入れる親は、子どもが上手に絵を描けるための指導を望んでいます。
子どもへ適切な指導をしてもらえないと、親としてはやはり不満に感じてしまいますよね。

ただし、あまりにもマニュアル化された指導方法では子どもの個性を伸ばすことはできません。

例えば、幼稚園や幼児教室の絵画指導で、右上の隅には笑っている太陽を描き、チューリップの色は赤・白・黄色で描くように「決まり」を教えている教室も少なくありません。

子どもが指示通りに行えているかどうかの発達段階を先生が把握するためには有効ですが、子どもの絵の個性を伸ばすことはできません。
このような画一的な指導を受けた子どもたちは、個性に乏しい、魅力が感じられない絵を描くようになってしまいます。

自由を大切にしながらも基礎的な指導はしてくれるような教室を選びたいものです。

絵画教室で本当に絵は上手になるの?

小学生向け絵画教室で、本当に絵を上手に描けるようになるのでしょうか?

絵の特別な指導を受けていない子であっても、年齢とともに自然と絵が上手になります。
母の日に描くお母さんの絵を見ても、子どもの成長を感じます。
幼稚園の年少の時は、顔からいきなり手足が出ている絵を描いていたのに、年長になると、体や洋服を加え、より人間らしい絵を描きます。
小学生になると、顔の特徴やメガネ、小物、背景など細かい部分まで描きこんだ、よりリアルな絵になります。

確かに、絵画教室に通わなくても、年齢が上がると絵の技術も成長します。
しかし、絵画教室に通っている子はそうでない子に比べて絵の上達が早いです。

絵画教室に通って絵が上達する理由としては次のようなものがあげられます。

・先生が、絵の技術的な指導をしてくれる(画材の使い方、筆の運びなど)
・とにかくたくさんの絵を描かせてくれる
・絵の上手な人の作品や、描く様子を真似て自然とうまくなる

絵画教室では、生徒たちにとにかくたくさんの絵を描く体験を積ませます。
絵をたくさん描く子どもはそうでない子どもに比べて、技術はもちろんですが、観察眼がかなり違ってくるからです。

絵を数多く描いていると、モデルの様子をよく見て特徴を捉える力が養われていきます。
上手に描きたいという気持ちに加え、絵を描く経験が子どもたちの絵をどんどん成長させていくのです。

親の負担は大きいですか?

小学生向け絵画教室に限ったことではなく、どのような習い事を始めるにしても、親の負担はつきものです。

金銭的な負担の面でいうと、月謝やそれ以外の費用としてかかるのが道具類です。
道具に関しては、一度購入してしまえば、あとはなくなった絵具の色を補充したり、スケッチブックを追加で購入したりする程度です。

親の身体的な負担としては、会場までの送迎があげられます。
子どもの年齢や交通手段の有無、自宅から教室までの距離によっても親の送迎が必要かどうかは変わってきます。

自宅近くの個人宅で開いている教室であれば、子どもが歩いて通えるかも知れません。
カルチャーセンターで開かれる絵画教室なら、駅前にあることも少なくないので、ある程度の年齢の子どもは、公共の乗り物で通うこともできるでしょう。

作品展に関する負担も考慮に入れる必要がありますが、作品展が開かれる教室でも、親の参加は強制していないところが多いようなので、それほど心配する必要はないかも知れません。

全体的に見ると、絵画教室に子どもを通わせることによる親の負担は、他の習い事に比べると同じくらい、もしくは少ないと言えます。

コスパが悪くない?家でもできるんじゃないの?

「子どもにただ絵を描かせるだけなのに、毎月月謝を払うなんて意味があるの?」と考えている親御さんもたくさんいらっしゃるでしょう。
確かにただ単に絵を描かせるだけであれば、自宅でもできるのかも知れません。
お絵かきしてる親子
では、子どもを小学生向け絵画教室に通わせることは無駄なのでしょうか?
答えは“NO!”です。

集中して絵に取り組める環境や、必要に応じて受けられる技術的な指導、他の人から受ける刺激など、絵画教室に通うことで得られるメリットはたくさんあります。

しかし、実際に絵画教室へ子どもを通わせたけれど、あまり効果を感じられずに辞めさせたという話を友人から聞いたこともあります。

どのような習い事でも、習った成果をすぐに期待できるものではなく、上達が目に見えるようになるためには、ある程度続ける必要があるでしょう。
続けられるためには、親子で望む教室のイメージを事前に共有して、条件に合った教室を選ぶことが大切です。

いくつかの絵画教室をネットなどで探して良さそうなところを絞り込んだら、ぜひ一日体験や見学をすることをおすすめします。
教室の雰囲気や先生の指導法など、実際に体験したり見学したりした上で、親子でよく相談してから始めましょう。
「友だちが通っているから」とか、「家から近いから」というような安易な理由で簡単に決めてしまうと、「こんな教室だと思わなかった…」と後悔してしまうこともよくあります。

家では得ることができない何かを求めて絵画教室に通うことにしたのですから、よくリサーチして子どもに合った絵画教室を選びましょう。

絵が好きじゃない子でも大丈夫?

絵が好きではない子が、絵画教室に通っても問題はないのでしょうか?
絵を描くことが好きではない子に、親の意向で無理して通わせてもすぐに楽しんで取り組めるかと言われれば、それは難しいかも知れません。

絵に興味を持っていたり、親の目から見て魅力的な絵を描けたりする子に習わせた方が、上達が早いでしょう。
しかし、絵を上手に描けるようになって欲しいと願う親心で始めるのであれば、本人が希望していなくても思い切って教室へ入れてしまうという方法もあります。

初めはイヤイヤ通うことになっても、1作品を完成させて達成感を味わわせることで子どもの中で何か心境の変化があるかもしれません。

子どもにとって、新しいことを始めるのはとても勇気がいることですし、楽しくないことを続けるのは疲れることです。
それでも絵画教室に通わせようと決めたのなら、親もそれなりの負担を負わなければ長続きはしません。
子どもの「嫌」という気持ちを受けとめたり、イヤイヤながらでも通っていることを認めたり、作品を褒めたりして子どもの気持ちに寄り添う姿勢が大切です。

「継続は力なり」です。
親子で力を合わせて、レッスンを継続してみてください。

子どもギャラリーとコンクール

勝ち負けや数値化できる習い事とは違い、絵画は練習の成果がはっきりと目に見えにくいものです。
何か目標をたてる意味でも、人に見てもらう機会を得ることは大切なことでしょう。
人に見てもらえる方法をいくつかご紹介します。

子どもギャラリー

子どもは褒められるのも、自分の作品を飾ってもらうのも大好きです。
作品は、自宅に持ち帰ったら飾ってあげましょう。
見た家族が、子どもの成長を感じることもできますし、子ども自身も次はもっと上手に描きたいという意欲にもつながりますよ。
全部を飾ることはありませんが、新しい作品をしばらく飾れるスペースを作ってあげることで励みにもなります。

また、美術館や商業施設内にあるアートギャラリーでは、子どもの作品を展示するスペースを設けていることがあります。
機会があれば、子どもギャラリーに応募すると、自分の作品が家族以外の人に見てもらえて子どもは喜ぶでしょう。

コンクール

小学校の長期のお休み、特に夏休みあとには、さまざまなコンクールがあります。
コンクールに出展したり、受賞したりすることは子どもの自信につながります。
「僕は(私は)絵を描くのが得意なの」と言えるようになることは、絵画教室を長く楽しく通うことにつながります。

ぜひ、自分が作った作品を色々な人に見てもらえる機会を作ってあげましょう。

絵を描く技術以外にどんな事が身につくの!?

絵画教室に通うと、絵を描く技術以外に身につけられることはたくさんあります。
絵を描くためには、観察力・判断力・集中力・表現力・想像力・創造力など、さまざまな力が必要です。
数多く絵を描く経験を通じて、知らず知らずのうちにさまざまな能力が向上していくはずです。

例えば、作品を完成させた後に、作品展を開く絵画教室では、子どもたちは自分の作品について紹介をします。人に自分の作品を説明するためには、分かりやすく話をまとめたり、人前で恥ずかしがらずに発表したりする必要があります。

何度か発表を繰り返していくうちに、人を引き付ける話術や人前でもあがらないでいられる度胸がついていきますし、友だちの発表を聞いている時のマナーも身につけられます。
これらの能力は、将来大人になってからも役立ちます。

絵画教室へ通うことで、絵を描く技術を向上させるだけでなく、絵画を通じてさまざまなことを身につけられます。

まとめ

小学生時代に、絵画教室に通った人が、必ずしも将来画家になれるわけではありません。
だからと言って、子どもを絵画教室に通わせるのは「無意味なこと」というわけではないでしょう。

絵は大人になっても続けられる趣味になりますし、幼いころから芸術に触れる機会をもつことで、子どもの情緒を育むことができます。
なにより、自分の内面にある想いを表現できるスキルを身につけられれば、一生役立ちます。
絵画教室で芸術に触れた子どもは、感受性豊かな大人になれることでしょう。

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お子さまに習い事させている方に聞いてみたいけど、身近に聞ける人がいない。
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