習字と書道の違いとは?習い事ならどっち?習字と書道の疑問を解説!
きれいな字を書ける人は素敵ですよね。
文字は長い人生において、ずっと書き続けるものです。
「子どもの将来のために、小さいうちに美しい文字を書けるようにしてあげたい!」と思う親御さんも多いのではないでしょうか。
きれいな文字を書けるようになるための習い事として思いつくのが「習字」ですよね。
でもちょっと待って…街を見渡すと「習字教室」の他にも「書道教室」という看板を見かけますよね。
「あれ?習字と書道って違うものなのかな?」という疑問がわいてきませんか。
厳密に言うと、習字と書道は違うものなのです。
とは言え、習うことで得られる効果などは共通する部分が多いのも事実です。
今回は、まず、習字と書道の違いが何かを説明します。
違いを理解いただけたところで、次は、習字と書道共通のメリットなどについて紹介します!
習字と書道の違いって何?
習字と書道の違いは一体何だと思いますか?
習字も書道も墨をつけた筆で文字を書くというスタイルは同じですから、何が違うのかわかりにくいですよね。
習字は、お手本を見て、真似をして書くことです。
一方、書道では、お手本通りに書くのではなく、書き手の個性を出して表現するのが特徴です。
次からは、習字と書道についてもっと詳しくご説明します!
習字教室とは?
習字は、「字を習う」と書きますよね。
生徒は、お手本の字を見て美しい文字が書けるように練習を重ねます。
教室では、墨のすり方や、筆の持ち方などの基本的な動作を教わります。
次に生徒は、文字の書き順や形を理解し、お手本を見ながら繰り返し書いていくのです。
習字には、検定があり、合格すると段や級などの資格を取ることができます。
検定は、会場へ行って試験を受けるというスタイルではありません。
日頃の教室で書きためた作品の中から、良く書けた作品を先生と一緒に選び、教室が所属する団体へ提出します。
その作品の出来によって、段や級がつけられることになるのです。
習字教室の団体は様々あり、日本習字・教育習字・純正書法連盟・公文などが有名です。
書道教室とは?
書道は習字とは違い、個性や芸術性が重視されます。
多くの書道教室では、生徒にお手本をただ真似させるのではなく、書きたいように書かせるようです。
書道では、個性を出して表現するため、検定などの型にはまった評価はありません。
日展などの展覧会に出品したり、グループ展などを開いて人に見てもらったりすることが多いようです。
ただし、書道には芸術的要素を重視した団体以外にも、書道を一般の人々にも知ってもらうために数々の講座を開いている団体があります。
このような教育的要素を持った団体が開く子ども向けの教室では、美しい文字を書くという基礎から教えます。
お手本のような文字を書けるようにならなければ、芸術的な文字を書くのは難しいからです。
書道の普及に力を入れている団体の中には、習字教室と同じように検定を設けているところがあります。
本来書道は芸術だけれども、教育的要素を持った団体が文字を書く基礎を教える教室を開いているので、習字と書道が同じものだと勘違いしてしまう人が多いのかも知れませんね。
結局のところ習字教室と書道教室はどちらを選べばいいの?
習字教室と書道教室の違いはお分かりいただけたでしょうか?
習字は、お手本通り美しい文字を書くことを目標としているのに対して書道教室では、芸術的な作品づくりを目指すというのが本来の違いです。
とは言え、子ども向けの教室では、美しい文字を書くという基礎的な部分を学ぶという意味ではどちらも大差がないのが実情です。
実際に教室を選ぶ際には、習字・書道という肩書きだけにとらわれずに、内容を確認することをオススメします。
後は個々の教室での指導方法や内容、検定の有無などを直接教室の先生へ問い合わせしてみてください。
可能であれば、体験教室に参加すると良いですよ。
教室での進め方や先生と子どもの相性がわかるのでぜひチェックしてみてくださいね。
習字・書道教室に習わせるメリット5つとは?
習字にしても書道にしても、昔からある定番の習い事です。
パソコンやスマホなどのITが普及した現在でも、習い事として根強い人気がありますよね。
長い間人気があるということは、それだけ習わせる価値があると感じている人が多いということでしょう。
習字や書道を子どもに習わせると、子どもにはどのような力が身に付くのでしょうか。
次からは、習字や書道のメリットについて詳しくご説明します!
美しい文字を書けるようになる
習字・書道を習うと、美しい文字が書けるようになります。
子どもたちの学校生活において、文字を書く機会はとても多いですよね。
字がきれいだとそれだけで褒められることも多く、子どもの自信につながります。
私の娘は、書写の教材のような文字を書きます。
小学生の頃から先生の代わりに黒板などに字を書くように言われる機会が多くありました。
本人は、自分の字を美しいと認めてもらえていることが嬉しかったようです。
また、息子の字はとても読みやすい文字です。
塾の先生に「君の字はキレイで読みやすいからテストの採点がラクだ!」と褒められていました。
さらに「字が汚いと、せっかくテストの問題が解けていても読んでもらえない場合も多いのだよ。」と言われていたようです。
テストなどで同じ答えを書いたとしても、美しい文字と汚い文字では受け取られ方が違いますよね。
美しい文字を書けることは、「得することはあっても損することはまずない!」と断言できます。
集中力がつく
「うちの子は、ゲームならいつまでも集中してやっていられるのに、勉強だと全然集中力が続かなくて…」と嘆く親御さんは多いかと思います。
習い事をすることで集中力を身に付けることができたら良いですよね。
習字・書道教室へ通うことで、子どもが集中力を高めることはできるのでしょうか?
子どもたちの様子を見ていて、習字や書道を習うことでずいぶん集中力がついたと思います。
毛筆で文字を書くときには、線を一本ずつ書けばいいというものではありません。
頭の中に筆をどのように運ぶかイメージしながら、流れを止めずに勢いよく最後まで書ききる必要があるのです。
1時間ほどの時間を机に向かって無心に文字を書くことで、ずいぶんと集中力が研ぎ澄まされた気がします。
姿勢が良くなる
私は幼い頃、毎週お寺へ行って住職に習字を教えてもらっていました。
字を書くことは嫌いではなかったし、住職の面白いお話と珍しいお菓子につられて楽しく通っていました。
とは言え、小さな子どもにとって1時間、ずっと姿勢正しく正座をすることはかなりきつかったです。
姿勢正しく座っていなければ厳しく注意もされました。
ただそのお陰で、今でも姿勢が良いと褒められることが多いです。
今の時代、習字や書道に取り組むときは、机とイスというスタイルが多いと思いますが、筆を持つ時の姿勢は、普段学校や家で学習する時の姿勢とは全く違います。
習字や書道において、姿勢の良さは重要な作法の1つですから、幼い頃から腹筋を鍛えることができ、美しい姿勢を身に付けることができます。
落ち着きのある子どもに育つ
落ち着くために写経をしているという人がいますよね。
習字・書道も写経と同じように、お手本をみながら字を書いていきますから似ているところがあります。
気が散っていては、美しい文字を書くことはできません。
姿勢を正し、白い半紙に向かって集中して文字を書くことで、気持ちが穏やかになり、落ち着くことができます。
落ち着いて文字を書く経験を通じて、半紙に向かっていない時にも落ち着いていられるようになるのです。
判断力がつく
文字を書く際には、短い時間に様々なことに気を配る必要があります。
文字の書き順や、はね・とめ・はらいに気をつけ、文字全体のバランスも考慮しなければなりません。
決められた枠の中でいかにバランス良く、美しい文字を書けるかを一瞬で考えて書き上げなければならず、それが瞬時に物事を判断する力につながります。
頭の中でたくさんのことを同時に処理することで、判断力を養うことができるようになります。
習い始めるタイミングはいつが良い?
ここまで読み進めてみて、「習字や書道って子どもの発達に良さそうだから、習わせたい!」と思っていただけましたか?
では、習い始めるのに良いタイミングはあるのでしょうか。
基本的には、子どもが興味を持った時が始め時と言えるでしょう。
子どもは、面白いと思ったことでなければ取り組みたがりませんし、楽しくなければ長続きもしませんからね。
さらに、文字を読め、意味がわかる年齢になってから始めるのがオススメです。
仲の良い友だちが習い始めたり、毛筆に触れる機会があって興味をもったりした時は、習い始めるのに適したタイミングかも知れません。
学校の書写の授業で、お手本の文字を真似して書くことに興味を持ったら本格的に毛筆を習わせるという手もあります。
子どもの習い事に習字・書道を選んで良かったことは?ママ友の口コミ
子どもを習字・書道教室へ通わせたママ友たちに、「習い事として習字・書道を選んで良かった点」について聞いてみましたので、その声を紹介しますね!
学校での勉強やその他の活動に活かされる
習字・書道教室へ通って美しい文字が書けるようになると、学校生活でも活かせる機会が多くあります。
字がきれいだと、国語の授業では有利になります。
我が家の子どもが通っている学校の通知表の国語の欄には、「きれいな文字が正しく書くことができる。」といった項目があります。
その項目に関してはいつも良い評価をもらうことができています。
授業以外でも委員会活動などで、模造紙などに大きな文字を書くことがあります。
目立つ場所に貼りだされるので、美しい文字で書けると周りからも褒められ、本人も誇らしく感じているようです。
リーズナブルでコストパフォーマンスが高い
他の習い事に比べて習字や書道は、費用が安いというメリットも見逃せません。
習字や書道は、月謝以外にかかる費用が少なくて済むという声をよく聞きます。
他の習い事だと、道具代やウエア代がかかるものが多いですよね。
子どもの場合、すぐに体が大きくなるので、ウエアは頻繁に買い替えが必要ですし、スポーツの道具などはあっという間にボロボロになってしまうようです。
ところが、習字・書道教室に通わせてもそれほどお金がかかりません。
最初にすずりや筆などのセットを購入して、お手入れをしっかりすれば何年ももちます。
消耗品は墨くらいで、墨汁は100円ショップでも手に入ります。
最近の習字・書道教室の中には、習字道具や半紙も何も持って行かなくても、手ぶらで受けられる教室もあるそうです。
習字・書道教室は、お金があまりかからず、それでいて得られる効果が高いお得な習い事と言えるでしょう。
途中でやめても段や級などを引き継げる
今の子どもたちは、忙しいですよね。
小さい頃はたくさんの習い事をしている子でも、中学受験などを控えると塾通いに忙しくなって、勉強以外の習い事を辞めなければならないこともあります。
習字・書道教室で一度取った資格は、一度辞めて再開した後でも引き継げることをご存知でしたか。
塾通いなどがひと段落してからまた始めたくなったら、一度辞めたレベルから再スタートができるので、せっかくの努力が無駄になることがありません。
字は一生書くことになりますから、いつでも思い立ったらまた始めることができるのが良いところですね。
履歴書の資格欄に記入することができる
大人になると、アルバイトをするときや本格的に就職活動をするときに、履歴書を書くことがあります。
書類はパソコンで作成をするのが一般的になった今でも、履歴書は手書きで書く人が多いようです。
履歴書の文字が美しいと、読む人に良い印象を与えることができます。
しかも、習字・書道を長く続けて検定で段などを持っていれば、資格欄に書いて能力をアピールすることも可能です。
美しい文字が書けると就職活動でも、ライバルに一歩差をつけることができますね。
習字・書道を習うデメリットはあるの?
メリットばかりをご紹介してきましたが、習字や書道を習うことで生じるデメリットはあるのでしょうか。
私は正直デメリットをあまり思いつきません。
ただ、あえてデメリットをあげるとすると、子どもが服に黒いシミを付けて帰ってくることがあることです。
習字や書道教室へ行く日は、なるべく黒っぽい服や汚しても問題がない服を着せると良いですよ。
毛筆だけではなく、硬筆を教えてくれる教室もある
習字や書道が子どもの成長にとって良いとわかっていても、「最近は筆で字を書く機会が少ないし、あえて毛筆の練習をさせなくてもいいかな…」と思っている人は、硬筆を習わせることを考えてみてはいかがですか。
硬筆も毛筆同様、習字・書道教室で教えてもらうことができます。
小学1・2年生の書写の授業では毛筆を使いません。
4B以上の柔らかい鉛筆やフェルトペンと言われる柔らかいタッチのペンを使って文字を書く練習をします。
硬筆は、筆よりも身近ですし、低学年でも扱いやすいのが特徴です。
硬筆で文字を書くことに慣れてきて高学年になったら、毛筆に進むという方法もあります。
まとめ
習字や書道を習うために、高価な道具は必要ではありません。
場所もとらずに手軽に習うことができるのに、その効果は数えきれないほどあることをお分かりいただけましたか。
美しい文字を書けることは、子どもにとって一生を通じての宝になります。
この記事を読んで興味を持った方は、ぜひお近くの習字教室や書道教室を探してみてくださいね。