子供の習い事には将棋がおすすめ!将棋で身につくチカラや費用を解説
藤井聡太さんという、スター棋士の活躍により世間からの注目が集まっている将棋の世界。
冷静で落ち着いたたたずまいの棋士の姿に憧れて、「子供にも、将棋をやらせてみたい」と考える親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
とはいえ、「将棋のルールを知らない」、「習わせてどんなメリットがあるのかわからない」という方も多いと思います。
この記事では、将棋教室に通うとどのようなことが身につくのかや、将棋教室の費用、何歳から通えるのかについて解説します。
将棋教室で身につくこととは?
将棋教室で、将棋を学ぶとどのようなことが身につけられるのでしょうか。
将棋を学ぶメリットはさまざまありますが、主に次の6つのメリットについてご紹介します。
- 思考力がつく
- 集中力がつく
- 礼儀作法が身につく
- 記憶力が身につく
- 自ら負けを宣言することで、自立心が身につく
- 勉強にも必要な「間違った箇所をやり直す習慣」が身につく
将棋で身につく力の1つが思考力です。
将棋は、9×9のマスの上に、40の駒を並べて一対一で戦うゲームです。
2人が交互に駒を動かしますが、自分が駒を動かすことで、相手はどう動くのかを想像しながら指していきます。
あらゆる場合を想定して、駒を動かすので、頭をフル回転させなければなりません。
プロの棋士には、一局終わると1~2kgぐらい体重が減る人もいるそうです。
それだけ、頭を使っているということですね。
先を読みながら、頭を働かせ続けることで、考える力がつくのです。
将棋は、自分の知識や経験をすべて活用して、相手と駆け引きをしながら進めていきます。
勝ち、負けがはっきりとつくゲームですから、一生懸命取り組まなければなりません。
相手がどう指してきて、どう返すのかを考えていると自然と集中します。
次の一手を何にするのかを真剣に考えるので、集中力が身についていくのです。
将棋は、棋道といって、武道や華道、茶道のように日本独特の文化背景をもち、礼儀作法が重んじられる競技です。
対局が始まる前には正座をして「お願いします」という言葉から始め、自分の負けが確定した時には「負けました」、対局が終わった時には「ありがとうございました」と、あいさつをします。
対局してくれた相手へ敬意の気持ちを表すのは、とても日本的な考え方です。
教室では、技術的な面はもちろんのこと、礼儀に関しても指導をされます。
将棋教室で身につけたマナーは、日常生活にも活かされるでしょう。
将棋は、記憶することがたくさんあります。
駒の動かし方を始めとする基本的なルール、定跡(最善とされている指し手)、過去の対局の流れなど覚えておかなければならないことが多いのです。
将棋独特の表現や言い回しなどもあり、それらを覚えるうちに、記憶力がついていきます。
将棋は、勝つ見込みがないとわかったら、自分から「負けました」と宣言しなければなりません。
一生懸命頑張ったのに、負けを自ら認めなければならないのは本当に悔しいことです。
小学生くらいの子だと、「負けました」と言えず、悔しくて泣いてしまう子がたくさんいます。
同じ駒が与えられている将棋に、「運」はありません。すべて実力の世界です。
負けたということは、自分に何かが足りなかったということ。
その事実に真正面から向き合う必要があります。
対局中は、誰も助けてはくれず、幼くても、知識がなくても次の一手は自分で考えなければいけません。
自分の力だけで戦って、「負け」を宣言できたときに、本当の自立心が身につきます。
将棋は、英語やピアノなど学校の授業に直接関わる習い事ではないと考えられがちです。
しかし、将棋を学ぶと、学校の勉強にも活かされます。
なぜなら、将棋を上手に指せるようになるためには、さまざまなことを覚えたり、調べたり、分析したりする必要があるからです。
これは、学校のテストで間違った箇所をやり直し、同じ間違いを繰り返さないように学び直すプロセスとよく似ています。
また、将棋が得意な人は算数が好きな人が多いと言われることがあります。
プロ棋士161人に将棋を始めて良かったことを聞いたアンケートでは、「算数の成績が上がった」「暗算がはやくなった」と回答した人が多く見られました。(※1)
将棋の論理的な思考は、算数に通じているのかも知れませんね。
将棋教室は何歳から始められるのか?
将棋教室は、何歳くらいから始められるのでしょうか。
将棋は、駒の動かし方が難しく、禁じ手(やってはいけないこと)や戦法など覚えることがたくさんあります。
論理的に考える必要もあるため、対象を小学生以上としている教室が多いです。
とはいえ、5歳くらいになれば、他の人とのコミュニケーションも問題なくできます。
将棋の駒に書かれた漢字の形も、認識できるようになるので、早ければ、幼稚園の年中ころから受け入れている教室もあります。
年齢以外には、「駒の動かし方を理解できる」、「一人で受講できる」、「授業中、静かにできる」といった条件をあげている場合もあるので、教室の受け入れ条件を調べてみるとよいでしょう。
ちなみに、プロ棋士の谷川浩司さんや藤井聡太さんは5歳から将棋を始め、西尾明さんは、3歳ですでに将棋のルールを理解していたと言います。
プロの棋士になった人は、就学前か小学校低学年ころに将棋を始めている人が多いようです。
将棋の基礎を学ぶなら将棋教室に通う前に「どうぶつしょうぎ」を取り入れるのもおすすめ
我が子にもなるべく早いうちから将棋に触れさせたい、と考えている方には、自宅での遊びに「どうぶつしょうぎ」を取り入れることをおすすめします。
「どうぶつしょうぎ」は、3×4マスの小さな盤上に、漢字の代わりに動物のイラストが描かれている駒を使って戦うゲームです。
王将はライオン、飛車はきりんなど、子供でもイメージしやすいのが特徴ですが、将棋のルールが自然と身に付くように作られています。
本格的な将棋への入口として、自宅で「どうぶつしょうぎ」を取り入れ、5歳くらいで将棋教室へ入会すると理解が早いかもしれませんね。
将棋教室で将棋を習うのに必要な費用とは?
子供を将棋教室に通わせるのに、費用はどのくらいかかるのか気になりますよね。
将棋を習うのに必要な費用についてまとめてみました。
用意するものは?
将棋を習うのに用意しなければならない道具は、将棋盤と駒のみです。
将棋盤と駒の価格は、上を見たらキリがありません。中には数百万円するものもありますが、これは工芸品の域ですよね。
初心者であれば、3千円~1万円位のもので十分でしょう。
あとは、必要に応じて、基本的な駒の動かし方やルールを解説した初心者用の本を用意する程度です。
教室へ支払う費用は?
将棋教室に支払う費用は、月謝払いと月払い、回数券制などがあります。
初心者向けの教室の費用相場は、1回につき300円~3,500円と幅がありますが、1回につき、1,000円~2,000円という教室が多いようです。
いくつか例をあげてみます。
日本将棋連盟公認の「ヤマダこども将棋教室」(※2)では、
1回(50分)の受講料は、
・講師が棋士、指導員の場合、700円(税別)
・講師がプロ棋士の場合、1,400円(税別)
です。
入会金は必要ありません。
多くのプロ棋士を育てた、元プロ棋士の森信雄さんが運営する将棋教室(※3)では、
入会金 3,000円
月謝 月2回 3,500円 以降追加どのコースも1回1,000円
となっています。
教室によっては、その他に教材費がかかることもありますので、事前に問い合わせをしてみるとよいでしょう。
将棋教室で将棋を習うメリットとは?
将棋を学ぶには様々な方法があります。
将棋の本や、テレビの講座、新聞、インターネット動画、アプリなどありとあらゆる方法で学べます。
しかし、本格的に将棋をやらせたいと思ったら、将棋教室へ通わせるのが近道でしょう。
将棋教室で将棋を習うメリットは主に次の3点です。
・ルールなど将棋の基礎を学べる
・仲間と共に楽しみながら将棋を学べる
・講師の指導対局が受けられる
将棋の基礎から戦法までを幅広く学べる
将棋は、駒を動かして相手の王を取るゲームです。
駒には8種類があり、それぞれ動ける範囲が違います。
独学だと、その複雑なルールを覚えるだけでも少し大変と感じるかも知れません。
将棋教室では、駒の動かし方を含む基本的なルールや、礼儀作法などの基礎を直接指導してもらえるので、無理なく取り組めます。
多くの教室では、講座も取り入れています。
講座では、講師が、大盤(将棋のマス目が入ったボード)を使って上達のコツや戦法などを解説するので、実際の対局に活かせます。
仲間と共に楽しみながら将棋を学べる
将棋教室では、同じような年齢の子供たちが一緒に学んでいます。
どのような習い事でも、共に学ぶ仲間がいるということは刺激になるものです。
子供同士が一対一で対局することで、お互いに仲間意識が芽生えます。
実際将棋教室に通う子供たちに訊くと、「いろいろな友達と仲良くなれて楽しい」と言う子も多いです。
大会への出場や級、段の取得など、目標になるものも明確なので、お互いに刺激し合って技術を向上させるのにも役立ちます。
講師の指導対局が受けられる
将棋は実戦を積んで上達していくものです。
特に小学生くらいまでは、理論を詰め込むよりも、実戦をたくさんやると効果が高いです。
講師と対局する、指導対局を通じて、技術を学び、自分の弱点を指摘してもらうことによって、より実践的な指導を受けられます。
将棋で身につけられる力は将来役に立つことばかり
将棋を通じて身につけられる、「思考力」「集中力」「礼儀作法」などは、大人になってからも役に立つ能力です。
将棋の大きな特徴である、自ら負けを認めるという姿勢も、言い訳をせず、自立した人間を育てるのに役立ちます。
奥が深い将棋をお子さんに体感させてあげてはいかがでしょうか。
(※1)日本将棋連盟公式サイト
(※2)ヤマダ子ども将棋教室
(※3)森信雄七段 将棋教室