人気のスイミングは何歳から始められる?メリットや効果と共に解説
ベネッセ教育総合研究所が2017年に行ったアンケート(※1)によると、子どもの習い事のナンバーワンは、スイミング。
実際に、お子様のお友達でも、スイミングを習っているという人が多いのではないでしょうか。
「スイミングは、身体にもいいと聞くし、我が子にも習わせてみたいと思うけれど、実際何歳くらいから始めたらいいの?」と悩んではいませんか?
スイミングを始めるのに適した年齢や、スイミングをさせることで得られるメリットを解説します。
スイミングは何歳から始められるの?
数ある習い事の中でも、スイミングは低年齢から行えるスポーツ活動の1つです。
多くのスイミングスクールでは、ベビースイミングコースを設けており、生後6ケ月の赤ちゃんが参加できます。
親子での参加が条件になりますので、お母さんも一緒にプールに入ります。
水への恐怖心がないごく幼いうちに、子どもをプールに入れることで、お風呂での洗髪やプール遊びも抵抗なくできるようになります。
2歳半ころまでを対象にしたベビースイミングへは親子で参加します。子どもだけではなく親にも、他の参加者との情報交換や、育児疲れ解消といったメリットを期待できます。
ベビーコースがあるスクールでは、生後6ケ月以降の赤ちゃんを受け入れていることが多いですが、コナミスポーツクラブのスイミングスクールでは、4ケ月から受け入れています。
生後すぐからでも参加したいという場合は、ご自宅から通える範囲で、低年齢でも受け入れてくれるスクールがないか探してみるといいでしょう。
いつからスイミングを習うのがベストか?
スイミングを始める時期はいつ頃がいいのでしょうか。
スイミングの目的や環境によって、始めるのに適した時期は異なります。
目的別に、次の4つのパターンについて説明します。
- 水泳選手を目指す
- 小学校授業で困らないようにしたい
- 子どもがやりたいと言い出したタイミングで始める
- 上達が早い小学生から習い始めるという方法もある
子どもに将来、水泳選手になって欲しいと考えている場合は、5歳くらいまでには始めるのがいいでしょう。
3歳から小学校低学年までの年齢は、運動感覚が形成される大事な時期と言われています。
実際に、世界で活躍する水泳選手は、5歳くらいまでに水泳を始めています。
参考として、日本のトップクラスの水泳選手が水泳を始めた時期をご紹介します。
- 北島康介さん…5歳
- 萩野公介さん…生後6ケ月
- 池江璃花子さん…3歳
- 岩崎恭子さん…5歳
では、水泳競技を行っている一般の人達は何歳くらいから始めているのでしょうか。
水泳選手として活動するには、スイミングスクールの選手コースに入る人がほとんどです。
実在するスイミングスクールの公式サイトで、選手コースで活躍している人達が何歳からスイミングを始めたかが載っていました。
岩手県にあるスイミングスクールの選手コースで活躍する人4名は、それぞれ1歳、3歳、5歳、7歳で始めたそうです。
岩手県にあるスイミングスクール、パウスポーツクラブの公式選手紹介のサイト
選手コースで活躍したいと思ったら、小学校入学前か遅くても低学年からスイミングを始めた方がよいことがわかります。
小学校では、体育の授業でプール授業が始まります。
スイミングは、得意な子とそうでない子が極端に分かれる種目です。
小学校で、「スイミングの授業が大嫌い…」という子はとても多いのです。
「せめて学校のプール授業が苦痛でないようにしてあげたい」と思ったら、就学前の時期に始めると良いでしょう。
実は、私の息子も小学校でのプール授業が苦手でした。プール授業がある朝は、「お腹が痛い」と言い出すのです。
水嫌いを克服させるために、小学2年生からスイミングスクールに通わせました。
息子はスクールへ何度か通ったら、プール授業を以前のように嫌がることがなくなったので、習わせてよかったです。
ただ、幼稚園児のうちにスイミングを習っていれば、よりすんなりと小学校のプール授業になじめたのではないか、とも思います。
小学校のプール授業に備えたいのであれば、未就学児のうちから入れることを検討してみてはいかがでしょうか。
子どもが自分から「スイミングを習いたい」と言い出したタイミングで始めるのもいいでしょう。
というのも、本人のやる気と上達とは密接な関係があるからです。
イヤイヤやるものよりも、やる気があるものに取り組む方が上達は早いです。
子どもが「習いたい」といったら、可能な限り習わせてあげたいですね。
子どもが、小学校に入ってからスイミングを習わせるという方法もあります。
なぜなら、幼児よりも小学生の方が、コーチの指導の意味を理解する力があるからです。
小学生の方が短期間で進級できる傾向が強いので、あえて小学生から入会させるという親もいます。
小学校3年生でスイミングを習い始めた友人は、2年間で4泳法(クロール,平泳ぎ,背泳ぎ,バタフライ)を泳げるようになったと言っていました。
小学校のプール授業や、海での遊泳には困らない程度にはなったそうです。
小学生から習わせるのは、コストパフォーマンスも高く、考えようによっては、賢い選択なのかもしれません。
スイミングを習うのに必要な費用は?
スイミングを習わせたいと考えて、次に気になるのが費用負担のことですね。
スイミングは他の習い事に比べてお金がかかるのでしょうか。
普通のコースに通っているうちは月謝も用具代もそれほど負担は多くありません。
しかし、選手コースへ進むとかなり費用がかかるので、親は覚悟しておかなければなりません。
普通のコースと選手コースの費用について解説します。
入会金、月謝
入会金は2,000円~1万2,000円、月謝は週1回で4,000円~1万6,000円程度。
民間経営のスイミングスクールは料金が高めですが、自治体や公益法人が運営しているスクールは安価なことが多いです。
水着・ゴーグル・水泳帽子などの身の回り品
用意しなければいけないのは、水着・水泳帽子・ゴーグル・カバンなどで、スクール指定のものがあれば購入が必要です。
普通コースの場合は、競技用の特別な水着は必要ありません。
品質にこだわりすぎなければ、ひととおり揃えても15,000円以内にはおさえられます。
北島康介選手が通っていた、東京スイミングセンターの公式サイト(※2)によると、指定水着の料金は次の通りでした。
指定水着 男子2,667円、女子3,620円
水泳帽子 500円/クラス分けリボン 50円
意外とリーズナブルな印象を受けます。
交通費、送迎バス
多くのスイミングスクールでは、送迎バスを用意しています。
無料で送迎バスを利用できる場合が多いようですが、中には送迎バス代を別に徴収しているスクールもあります。かかったとしても1,000円程度のところが多いようです。
息子が通っていたスクールでは、指定バッグを買えば自由に送迎バスを利用できました。
スイミングを習わせるのにかかる金額は、普通コースであれば、サッカーや野球に比べて、用具代もそれほどかからないという印象です。
続いて選手コースで活動する場合の費用をみていきましょう。
入会金、月謝
普通コースが週1回で7,000円の会費だとしても、週6回程度の選手コースでは、月謝が6倍になるわけではありません。
選手コースの月謝は、10,000円~16,000円程度のクラブが多いようです。
水着・ゴーグル・クラブ指定のジャージやTシャツ類・水泳帽子
練習用の水着の他に、大会用の競泳水着は、数千円~数万円。
数枚必要で、頻繁に買い替える必要があります。
クラブ指定のジャージや、トレーナー代などが3万円ほど、フィン・パドルなどの練習用具が、8千円~1万円ほどかかります。
大会への出場代
大会へ出場するためにかかる費用です。(月に2~4回程度)
エントリー費は、種目ごとにかかり、コーチが参加を認めたものにエントリーします。
エントリー費用は1種目につき500円~1,200円。
プログラム代が、500円~1,000円程度。
エントリー料が1,000円、2種目を月に4回、プログラム代500円だとすると、大会への出場代だけで、月に10,000円です。
合宿代
子どもの長期休みには強化合宿が行われます。
1回の合宿で、3万円~7万円。
年に2回~3回というところが多いようです。
子どもを選手コースに通わせた場合の費用は、一般的に年間で20万円~30万円程度です。
スイミングを習うメリットや効果は?
スイミングを習わせると、どんないいことがあるのでしょうか。
スイミングで得られるメリットや効果は次の通りです。
- 体が丈夫になる
- 比較的ケガが少ない
- 水に関わるスポーツやレジャーを積極的に楽しめる
- 準備するものが少なくて始めやすい
- 全身をくまなく使うので、クセがつきにくく、他の競技にも応用ができる
- 習わないと上達しないのでやりがいがある
- 団体競技が苦手な子でもできる
それぞれの項目について、詳しく説明します。
体が丈夫になる
「スイミングを習わせたら、子どもが風邪を引きにくくなった」という話を聞いたことはありますか。
スイミングは、体に良い影響を与えると言われています。
理由の1つは、全身運動をすることで体のすみずみまで酸素が行きわたり、免疫細胞が活性化するからです。免疫細胞が活発に働くことで、風邪などのウィルスと戦う体になります。
2つめは、体温調節機能の向上です。
プールの水温は、体温よりも少しだけ低い温度に設定されています。
体温がプールの水温に奪われないように、体温調節機能が向上します。
暑さや寒さといった外的環境の変化に対応できる体になるのです。
3つめは、精神状態の安定です。
水の中にいると、体が軽く感じられ、運動の際にも負担が軽減されます。
水の中で有酸素運動を行うことで、リラックス効果のあるセロトニンが分泌されるので精神状態が安定します。
比較的ケガが少ない
スイミングは、サッカーや野球のようにボールを扱う競技ではありません。
水の中で行うスポーツなので、比較的ケガが少ないです。
小さな子どもにも安心して行わせられるというメリットがあります。
水に関わるスポーツやレジャーを積極的に楽しめる
泳げるようになれば、もしもの時にも、身を守れる可能性が高まりますし、プールや海水浴をより楽しめます。
泳げるという自信があれば、大人になり、ダイビングや水に関わるレジャーにも積極的に取り組めます。
楽しむための選択肢も増えるのです。
準備するものが少なくて始めやすい
スイミングは用具などの準備が少なくて済むスポーツです。
サッカーや野球であれば、専用の靴やユニフォーム、ボールなどの道具が必要です。
その点、スイミングは水着とゴーグル、帽子、タオルだけ持って行けばできるのがいいですね。
息子は冬になるとスキーを習うのですが、「スキーは準備や装備が多くて大変…」とグチをこぼしていました。スイミングは、準備するものが少なく、身軽なのがよいのだそうです。
始めるだけであれば、あまり親の負担が大きくないのもありがたいです。
全身をくまなく使うので、クセがつきにくく、他の競技にも応用ができる
スイミングは全身運動です。
体の部位をまんべんなく使うので、スポーツ障害にもなりにくいという点が優れています。
テニスや野球など体の片側をよく使うスポーツは、体の使い方にかたよりがでてきてしまい、小さな子にとっては負担が大きいです。
日本のトップアスリートの中には、スイミング経験者が数多くいます。
野球の大谷翔平選手やゴルファーの石川遼選手も、子ども時代にスイミングを習っていました。
石川遼選手は、5歳から始めたスイミングが、自分自身の基礎体力を作り上げたと言っています。
スイミングは、他のスポーツの土台になる体力づくりにも適しているのです。
習わないと上達しないため、やりがいがある
スイミングは、習わなければなかなか上達しないスポーツの1つです。
足が早くて野球やサッカーは上手な子でも、スイミングはそれほど得意ではないという例はよく見られます。
ということは、陸上競技は苦手な子でもスイミングであれば、習っていない子より上手にできる可能性があるということ。
運動があまり得意ではない子にこそ、おすすめしたいスポーツといえます。
団体競技が苦手な子でもできる
スポーツといえば、サッカーや野球などの団体競技が思い浮かびます。
でも、内気な子にとって、団体競技は結構ハードルが高いです。
団体競技は、ミスをすると他の人に迷惑がかかってしまうし、直接相手と競い合わなければならないので精神的にもタフでないと困ります。
スイミングは、直接ボールを取り合う必要もないし、もし仮に辞めてしまっても他の人に迷惑をかける心配も少なくて済みます。
選手コースに入れば、他の人とタイムを競う必要がありますが、体力作りが目的であれば、基本的には自分自身との闘いです。
スイミングは、運動に自信がなく、内気な子でも取り組みやすいです。
メリットの多いスイミングを楽しく取り組ませてみて
スイミングは、肉体的にも精神的にも大変メリットの多いスポーツです。
いざという時、身を守る術を身につけるという意味でも、生涯にわたって役に立つ習い事と言えるでしょう。
子どもの頃に泳ぎを習得しておけば、大人になってからも体が覚えているものです。
自治体で運営しているプールも多く、一度スクールを辞めてしまったとしても、趣味やリフレッシュの手段として再開しやすいのがいいですね。
スイミングスクールに興味を持った方は、お子様を短期教室や、体験教室に参加させてみてはいかがでしょうか。