指導を受ける前に知っておきたいオンライン家庭教師の選び方を伝授
かつては対面で行われていたサービスも、インターネットの普及により、お互いに離れていてもできるようになりました。
そこで注目されているのがオンライン家庭教師です。
オンライン家庭教師では、講師と生徒が直接顔を合わせることなく、インターネットを通じて学習できます。
とはいえ「インターネットを使ってどうやって指導するの?」「必要な機材は?」「金額はどれくらいなの?」と疑問に思っている人も多いです。
大学時代に家庭教師のアルバイトを経験した筆者が、オンライン家庭教師に関する疑問を解説します。
オンライン家庭教師と従来の家庭教師の違いとは
オンライン家庭教師は、離れた場所にいる講師と生徒がインターネット上の会議システムなどを使い、指導を行う方法です。
指導を受ける時に必要な機材はインターネット環境のあるパソコンやタブレットの他、ヘッドセット、手元を映すカメラ、タッチペンなどです。
オンライン家庭教師専門の会社には、スカイプやズームなどの一般的な会議システムを採用しているところや、学習指導に適したシステムを導入している会社もあります。
専用システムの多くは、直感的に操作できるようになっています。
初期設定の仕方を詳しく教えてもらえますので、パソコンに詳しくない人でも心配はいりません。
オンライン家庭教師の実際の授業の様子は?
実際の授業はどのように行われるのでしょうか。
オンライン家庭教師のシステムには、2つのタイプがあります。
1つ目は、ノート画面を講師と生徒が共有できるタイプ。
2つ目は、それぞれが手元カメラを利用して、手元のテキストやノートを別々に映し出すタイプです。
次の映像はAIDnet(エイドネット)という会社で実際に行われている指導の様子です。
手元カメラを利用した例です。
ではオンライン家庭教師と従来の家庭教師の違いについてみてみましょう。
オンライン家庭教師
はじめにオンライン家庭教師の特徴を下にまとめましたので、ご覧ください。
- 講師と生徒のマッチング方法
- 指導方法
- 学習場所
- 料金の支払方法
・オンライン家庭教師を専門にする会社が、講師と生徒の仲介を行うことが多い
・生徒の希望に合う講師を会社が選び、紹介する
・講師の顔写真つきプロフィールを載せて、生徒側が好みの講師をシステムで検索できるようにしているところもある
・講師は生徒の自宅に出向くことなく、インターネット環境のあるパソコンやタブレットなどを使って遠くから指導する
・画面上には、手元カメラで映し出したノートやテキストの画像と講師と生徒の顔の画像が映し出される
・お互いに声や表情を見ながら、学習が進められるようになっている
・オンライン画面での指導内容を会社の管理者がチェックすることもある
・自宅以外にも、旅行先、受験地など場所を選ばず受けられる
・クレジットカード
・口座振り込み
・口座振替 など
従来の家庭教師
続いて、従来の家庭教師の特徴をみてみましょう。
- 講師と生徒のマッチング方法
- 指導方法
- 学習場所
- 休憩時間の過ごし方
- 料金の支払い方法
・家庭教師をしたい人と受けたい人が家庭教師センターに登録して、条件の合う講師が生徒の家へ派遣される
・個人間の契約専門のサイトや知人の紹介などで探す
・講師が生徒の自宅へ出向いて、一対一の対面で教える
・家庭教師センターの中には、自社の教材を購入させるところもあり、教材費が高額になることもある
・会社によっては指導方法や内容は講師に一任されることが多い
・自宅で行う(家族が側についていることは少なく、講師と生徒が家族と離れた部屋で行うことが多い)
・ある程度長い時間指導する場合、休憩時間を設けていることが多い。その間雑談などを楽しむ。生徒宅では、講師にお茶や茶菓子をふるまうことが一般的
・個人契約の場合、講師に都度現金で支払いをすることが多い
従来の家庭教師に比べてオンライン家庭教師の方が、指導の質が保たれます。
というのもオンライン家庭教師は、管理者の目が行き届きやすいからです。
従来の家庭教師では講師と生徒が一対一で対面することが多く、親や管理者はどのような指導をしているかわかりにくいのが難点でした。
しかしオンライン家庭教師では、画面上で学習の内容がわかるので、管理者が指導内容を確認しやすいのです。
実際オンライン家庭教師の会社の多くは、指導内容を毎回、もしくは必要に応じてチェックして、講師の指導技術の向上に役立てています。
オンライン家庭教師のメリット・デメリットは?
ここからは、オンライン家庭教師のメリットとデメリットをみていきましょう。
まずはメリットからご紹介します。
オンライン家庭教師のメリット
- 地方にいても東大生など難関大学に在籍中の学生から指導を受けられる
- 自宅で授業を受けられるので、塾などに通う時間も体力も必要ない
- 講師を自宅に招き入れる必要がないので、気遣いが必要ない
- 全国にいる講師から選べるので、選択肢が多い
- 講師に支払う交通費がかからない
- 会社によっては24時間、365日受講できる
- モニタリング機能で、受講の状況を管理者がチェックできる
- 講師と相性が合わなかった時に、交代を言い出しやすい
- 親が自宅にいられなくても、受けられる
オンライン家庭教師は、全国どこにいても国内トップレベルの講師から指導を受けられるため、画期的なサービスです。
とはいえオンラインならではのデメリットもあります。
オンライン家庭教師のデメリットは次のとおりです。
オンライン家庭教師のデメリット
- 対面に比べて、やりとりに時間がかかる(ノートを画像で取り込んだりする手間がかかるため)
- 音声や表情を聞き取るためには対面より神経を集中する必要がある
- システムの使い方に慣れるまでは、とまどう
- 講師は生徒の全身状態を見られないので、生徒が理解しているかのかがわかりにくい
- 対面に比べて講師との信頼関係を結ぶのに時間がかかる
- 競争して伸びていくタイプの子には少し物足りないかも
- 目に負担がかかる
それぞれの項目をいくつかみてみましょう。
大きなメリットとしては、どこに住んでいても、難関大学に通う学生の指導を受けられる点です。
たとえば東京出身の人が転勤で地方に引っ越したけれど、ゆくゆくは東京に戻りたいというケース。
子どもには中学受験を考えていたとしても、志望校出身の講師に指導をお願いできます。
オンライン家庭教師の会社の中には、受験に特化したコースを設けているところもあるのです。
試験の傾向や対策、進路指導などの相談ができます。
塾へ通っている場合は、塾への行き帰りに時間がかかりますし、体力も消耗します。
親が送迎するにしても、その分時間が取られるのは間違いありません。
その点自宅で受けられるオンライン家庭教師であれば塾へ通うための時間と体力を有効に活用できます。
送迎するための親の手間もかかりません。
自宅に人が来るというのは、家族にとっても負担が大きいものです。
掃除をしておかなければなりませんし、それなりに身なりも整えておく必要があるでしょう。
さらには休憩時間にお茶やお菓子を用意しなければなりません。
オンライン家庭教師は、実際に自宅に講師が来るわけではないので、気遣いがいらず家族にとっても楽です。
その他のメリットとしては、従来の家庭教師では言い出しにくかった「講師の変更」にも対応してもらいやすい点があげられます。
実際に会って教えてもらっていると「申し訳ないな」という気持ちになるものです。
オンラインであればいい意味でドライな対応もできます。
ではデメリットはどうでしょうか。
視界が広い対面での指導に比べて、オンラインでの指導では画面で見られる範囲が限定的です。
ノートや教科書、プリントなどを同時に使い、瞬時に解説ができる対面での指導方法に比べると、オンラインでは時間がかかってしまいます。
画面越しに会話をするので、音声や表情が伝わりにくいという難点もあります。
講師は生徒の表情やしぐさなどから、内容を理解しているかを読み取ります。
対面では細かなしぐさを拾う事ができるものの、オンラインでは難しいのが現実。
講師は対面で教える以上に指導経験と高度なスキルが求められます。
最近の子どもたちは、テレビ、ゲーム、タブレットなど電子機器に触れる機会が非常に多いです。
大人の目以上に子どもの目は負担がかかりやすいと言われています。
オンライン家庭教師では、子どもの目への刺激も心配です。
ブルーライト軽減メガネを使う、時々遠くを見て目を休ませるなど、工夫が必要かも知れません。
オンライン家庭教師の料金は?
オンライン家庭教師は一般的な家庭教師に比べて安価と言われています。
小学6年生を対象としたオンライン家庭教師の会社7社を比較すると、1時間あたりの授業料は、1,100円~7,000円です。
オンライン家庭教師3社の小学校6年生の受講料を表にしましたので、ご覧ください。
会社によって1コマあたりの指導時間が異なっています。
わかりやすいように月謝を60分あたりの金額に計算し直してみると、次のようになりました。
- イーライブ(Aランク)4,400円
- ネッティ3,630円
- ピースネット2,450円
入会金や周辺機器のレンタル料など除くと、1時間あたり2,500円~5,000円くらいが相場といえるのではないでしょうか。
ではオンライン家庭教師の料金はどのように決まっているのでしょうか。
オンライン家庭教師の料金はどのように決まっているの?
オンライン家庭教師の料金の設定方法には次のような傾向があります。
- 学年が上がると、料金も高くなる
- 講師の経験によって金額が変わる(在学中の学生講師よりも社会人講師の方が高め)
- 講師の在籍中の学校(既卒者なら出身校)によりランク分けをされている(4種類ほど)
- 受験対策コースを別途設けている会社は、普通コースよりも料金も高め
一般的には、講師の学歴や経験によって金額が変わります。
ただし出身校によるランク分けを行っておらず、生徒の学年によって一律料金を設定している会社もあります。
オンライン家庭教師は月謝制なの?
オンライン家庭教師では、月謝制と受講した分だけ支払う方法の2種類です。
基本は月謝制でも、長期休みやテスト前には追加で指導を受けたい時には、追加料金を支払って受講できるシステムを設けている会社もあります。
受講料以外にもかかる費用はあるの?
受講料以外にかかる費用は入会金(初回登録料)、月々の管理費、教材費、カメラのレンタル料などが考えられます。
中にはカメラを無料で貸し出ししてくれるところもあります。
兄弟で受講すると月謝が割引になったり、登録料が1回で済んだりすることがありますので、兄弟で受けさせたい時は各社比較をしてみるといいかも知れません。
検討する時には、月謝だけではなく、他にもかかる費用がないかを確認してみてください。
子どもにあった家庭教師の選び方は?
オンライン家庭教師の講師を選ぶには次の2つの方法があります。
- 生徒の希望を元に、オンライン家庭教師の会社が講師を選ぶ
- 公開されているプロフィールをもとに、生徒側が講師を選ぶ
講師は性別・学歴・出身高校・対応できる教科・資格・文系・理系・趣味などの条件をもとにして選びます。
会社で講師を選んでもらう場合は、生徒の希望を伝えるとよいでしょう。
生徒側が講師を選ぶ際、講師のプロフィール欄の趣味や好みに共感して、講師を選ぶ生徒もいます。
どのような講師を選んだらいいのか迷った時には、ぜひ家庭教師をつける目的を考えてみてください。
中学受験で合格することが目的のAさんにオススメの講師は、志望校の中学校出身者です。
受験の時の様子やテストの内容、入学後の学校生活についてアドバイスをもらえれば、志望動機を考える時の参考にもなります。
身近に志望校出身の講師がいれば、目標となる人をイメージしやすく、勉強のやる気も高められます。
苦手教科の算数を克服したいBさんには、その教科に精通した講師が理想的です。
教科に深い知識を持った人であれば、生徒にわかりやすく説明をしたり、さまざまな切り口で理解まで導いたりできるからです。
ただ実際はじめてはみたけれど、講師と相性が合わないことはありえます。
講師は無料で交代してもらえる会社がほとんどですので、遠慮せずに交代の希望を伝えるとよいと思います。
オンライン家庭教師を上手に取り入れて学び方の幅を広げよう
親世代には、オンライン家庭教師は、とっつきにくい印象があるかも知れません。
でも実際に受講してみた生徒たちの多くは「思っていたよりも気にならず学習できた」「従来の家庭教師と変わらない」と言います。
私も色々調べていくうちに、オンライン家庭教師は学びやすいそうだと思いましたし、メリットの方が勝っていると感じました。
小さな頃からインターネット環境に慣れている子どもたちは、大人より抵抗なくオンライン学習に取り組めます。
時間や労力を大幅に短縮できるオンライン家庭教師は、工夫次第でさまざまな活用法が考えられる学習方法です。
上手に取り入れて、お子さんの学びに活かしてみてくださいね(^ ^)