家庭教育習い事

習い事や家庭でもできる?モンテッソーリ教育の秘密に迫る!

小学生と幼稚園児の男の子を育てるナナコです。
モンテッソーリ教育というと、将棋棋士の藤井聡太さんを連想する人も多いと思います。
将棋界で次々と新記録を更新する藤井聡太さんは、幼少時代にモンテッソーリ教育を受けたことでも有名です。
研ぎ澄まされた集中力と粘り強さは、モンテッソーリ教育によって培われたと言われていますよね。
天才藤井聡太さんを育てたモンテッソーリ教育法とはどのようなものか、その秘密に迫ります。

モンテッソーリってどんな人?

モンテッソーリ教育を発案したマリア・モンテッソーリ(1870~1952年)はイタリアで生まれました。
ローマ大学で医学を学び、当時では珍しかった女性医師となります。
卒業後は、ローマの大学の精神病院に勤め、知的障害を持つ子どもたちの治療を行い、感覚教具を使った教育法を開発します。

その後、下層階級の子どもを対象にした「子どもの家」で行った感覚教育法を用いた研究成果を1909年に「モンテッソーリ・メソッド」にて発表したところ、ベストセラーとなりました。
現在は140を超える国にモンテッソーリを実践している園があると言われています。

モンテッソーリ教育法の効果はあらゆる分野でも認められ、実際その教育を受けた数多くの人々がリーダーとして世界中で活躍しています。
モンテッソーリ教育を受けた著名人としては、アンネ・フランク、ジェフ・ベゾス(アマゾンの創立者)、セルゲイ・ブリン、ラリー・ペイジ(グーグルの創立者)、ジミー・ウェールズ(ウィキペディアの創設者)などが有名です。

モンテッソーリ教育の目的は?目指す人間像とは・・・

モンテッソーリ教育の目的は、自立心、責任感、他人を思いやる心を持った一生学び続ける姿勢のある人間を育てることです。
このような人間を育てる基礎になるのは、「子どもは自分で自分自身を育てる力を持っている」というモンテッソーリの考え方があります。
子どもの自立心を育てるには、大人が何でも口出ししたりせず、子どもの自主性を重んじることが重要です。

ただし、やりたい放題やらせておくのではありません。
他の子どもの邪魔をするなど明らかに悪いことは注意をし、ルール内では自由を尊重するのです。
一定の秩序と自由に選べる環境の下、いつの間にか子どもたちは自発的に規律を守り、素直さを身につけることができるのです。

実際モンテッソーリ教育を受けた子どもには以下のような特徴があると言われています。

  • 自分で考え、自分で選ぶことができる。
  • 段取りよく物事を進めることができる。
  • 友達の気持ちを理解することができる。
  • 臨機応変に対処する力がある。

個性を尊重するモンテッソーリ教育を受けた子どもは自信にあふれ、困難にも立ち向かう力と他人を思いやる心を身につけることができるのです。

モンテッソーリ教育の内容は?実際どんなことをするの?

モンテッソーリ教育を実践する園では、教具や教材を使って行う活動のことを「お仕事」と呼びます。
教具は棚などに整然と置かれ、子どもたちは自分のやりたいお仕事を選んで、机へ持っていきお仕事を始めます。
机や椅子、棚、道具類は全て子どもが使いやすいサイズで、集中して取り組めるよう工夫されているのも特徴です。

教具は1つだけなので、もし友達が使っている時は順番を待ちます。
また、同じ教具を複数のお友達を誘って取り組むこともあります。
自分が選んだお仕事に取り組んだ後は、子どもの手で元の場所へキチンと戻すのがルールです。
いつも整った状態が保たれるので、次に使う子どももすぐにお仕事をすることができます。

教具は、1.日常生活の練習、2.感覚教育、3.言語教育、4.数教育、5.文化教育の5領域に分かれています。
子どもが選んだお仕事を始めて行う時に、使い方がわからなくて困っている様子があればモンテッソーリ教師はやり方をゆっくりと丁寧に「提示」します。
基本的にモンテッソーリ教育では「教える」ということはしません。
大人がやり方をゆっくりとして見せた後は、子どもがお仕事に取り組む様子を後ろからそっと見守ります。

3歳の息子がモンテッソーリ園でお仕事体験!その様子とは・・・

ある幼稚園で3歳の息子がモンテッソーリ教育体験をしたことがあります。
その園では、モンテッソーリ教育を活動の中心に取り入れており、本館とは別にモンテッソーリ教育を行うための専用の別棟があります。
部屋の中にある子どもの手の届く高さの棚には、色々な教具が整然と並べられ、子どもたちは好きな教具を選んでお仕事ができるようになっていました。

息子が興味を持って取り組んだのは、様々なタイプの鍵がついた木箱、スプーンを使って小さな食器に入った豆を別の食器へ移す(あけうつし)お仕事です。
木箱についた様々な形の鍵を開けたり閉めたり興味を持って取り組みました。
その作業に飽きてしまい、次は食器に入った豆を別の食器へ移す作業に夢中になりました。

普段は電池を入れてスイッチ一つで動くおもちゃで遊んでいるので、自分の手を使うお仕事は退屈なのでは?と心配したのですが、お仕事に夢中になっている息子の姿は真剣そのもの。
適切な環境を与えると子どもは集中するのですね。
一つのお仕事を自分が満足するまで行ったら、キチンと元にあった場所に戻すように言われます。

園の体験会だったのであまり長い時間はできなかったのですが、中断されていなければもっと色々なお仕事に取り組んだことでしょう。
息子のお仕事に夢中になっていた姿が印象的でした。

モンテッソーリ教育を理解する上で重要な敏感期とは?

モンテッソーリ教育に関する本などを読むと、敏感期という言葉に出会います。
敏感期とは一体何なのでしょうか。
敏感期とは、子どもが、ある特定のことに敏感になり、強い関心を持って簡単に身につけてしまう時期のことを指します。 

人間の一生には、様々な事柄に対して敏感期がありますが、そのほとんどが0~6歳のうちに集中しているのです。
モンテッソーリ教育では0~6歳の敏感期を、0~3歳、3歳~6歳という発達段階に分けて考えます。
この敏感期に五感を使った様々な体験をすることが後の成長にとって大切になります。

モンテッソーリ教育を受けたい時はどうすればいい?3つの方法とは

モンテッソーリ教育に興味があるけれど、子どもに受けさせたい場合はどうしたらいいのでしょうか。
モンテッソーリ教育を受けさせるには、主に次の3つの方法が考えられます。

実践している園を探す

モンテッソーリ教育を取り入れている幼稚園や保育園に子どもを預ける方法です。
全国的に見ても幼稚園や保育園でモンテッソーリ教育を実践している園は数多くあります。
自治体などで手に入る園を紹介したパンフレットを参考にしたり、ホームページで検索したりして見つけるといいでしょう。

取り入れ方も様々で、モンテ教育を全面的に取り入れている園や、遊びの時間に選択の一部として教具に取り組めるようにしている園などがあります。
気になる園があったらプレスクールに通わせたり、見学などに行ったりして実際に園の雰囲気を確かめると良いでしょう。

習い事として通う

モンテッソーリ教育を取り入れている園が見当たらない場合は、習い事として通うことも検討してはいかがでしょうか。
モンテッソーリの教室では発達段階に応じて細かくクラス分けされており、少人数制のところが多いようです。

敏感期が集中する0~6歳までの幼児期を対象にしたクラスがほとんどですが、中には小学校低学年向けのクラスもあります。
頻度は教室によってまちまちで、月2回や週1回、中には週5日まで選べる教室もあります。
料金は週1回で60分のクラスで1万円超えの教室が多く、高額な印象を受けます。
体験や見学などで、教室の雰囲気や先生との相性などを確認してから決めるとよいでしょう。

家庭で取り入れる

園や習い事が近くにない場合は、家庭でモンテッソーリ教育を取り入れる方法を検討しましょう。
家庭学習教材を利用したり、教具を購入したりして本格的に取り組むこともできます。
まずは、親がモンテッソーリの考え方を学ぶために本を読むことも有効でしょう。
自宅に教具を棚などに並べて取り組ませている人もいるようです。

家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツとは?

家庭でモンテッソーリ教育を実践する時にどのような教具を選ぶといいのでしょうか。
モンテッソーリ教育の教具の中からいくつかを紹介します。

  • ピンクタワー(感覚教育)…1cm~10cmの立方体10個からなる積み木です。
    並び替えたり、積んだりしながら大きさの違いを理解します。
  • 砂文字版(言語教育)…板の上にサンドペーパーで切り抜かれた文字をなぞることで書く感覚を育てます。
  • 数の棒(数教育)…数を理解するための棒です。

赤と青がそれぞれ1を表していて3であれば赤、青、赤と色が交互に組み合わさってできたものです。
並べたりして数の理解に役立てます。

このような教具はインターネットショッピングでも購入することができます。
興味がある方は検索してみてはいかがでしょうか。

教具を購入して棚に並べて、取り組ませるのも良い方法ではありますが、全ての教具を買っていてはかなり高額になってしまいます。
モンテッソーリ教育というと、特別な教具を用意しなければできないと思いがちですが、必ずしもそうではありません。

身近にあるものや百円ショップなどで買ったものも教具になります。
感覚教育としては、「お皿に乗せた3色のビーズを、つまんで3つの小瓶へ入れる」ことや
「お椀の中の落花生をお箸で別のお椀へ移動させる」などが考えられます。

さらに家のお手伝いは、日常生活の練習をさせるのにぴったりの教材です。
子どもがやりたい!と言った時は絶好のタイミングです。
できそうなことを任せてみましょう。
お手伝いをさせるには、子どもにちょうど良い大きさの道具を用意し、いつも同じ場所に置いておく必要があります。
料理をするなら、子ども専用の包丁とまな板、エプロン、踏み台などを用意してあげましょう。

大人が子どもと関わる時に大切な点は以下の通りです。

  • 子どもが興味を持ったことに取り組めるよう環境を整える
  • 子どもが何かに集中しているときは没頭させる
  • 大人は手を出し過ぎないで見守ってあげる

子どもが自主的にやりたいと言ったことは、なるべくやらせてあげられるように環境を整えるのも大人の役目でもあります。

行かせたい!でもデメリットはないの?考えられる心配事3つ

モンテッソーリ教育は、子どもの自立心を育むなどメリットが目立ちます。
とは言え、デメリットはないのかと心配になりますよね。
考えられる心配事としては以下のようなものが考えられます。

屋内で行うプログラムが多いので、活発な子には少し物足りない?

モンテッソーリ教育の主なプログラムは、教具を使った屋内で行われるものがほとんどです。
活発で外遊びが好きな子にとっては、動きが少ないので少し物足りないと感じるかも知れません。
子どもが集中して行うことで、体を動かして得られるような爽快感や達成感を得られるのが特徴とするモンテッソーリ教育ですが、体を動かしたい子がいるのも事実。

実際にモンテッソーリ教育を行っている幼稚園などでは、皆で教具を使って「お仕事」の時間になっても外で遊びたいと主張する子もいるようです。

子どもがお仕事より外遊びをしたい、と主張した場合、上手く誘導できれば大丈夫でしょう。
例えば、子どもを一度外で遊ばせ、頃合いを見計らって屋内へ連れて行き、他の子どもたちが教具に熱中している様子を見せ、自発的に教具に取り組むような誘導方法です。
そのような指導ができる教師がいる環境であれば問題はないでしょう。

集団行動が苦手?

モンテッソーリ教育では、数ある教具の中から子供が自分で取り組みたいものを選択し、基本的には個人でお仕事に取り組みます。
同じ時間に皆そろって同じ作業をするわけではありません。

そのため親は、同じ時間帯に皆と同じ活動をすることが苦手になるのでは?と心配してしまいます。
実際、幼稚園時代にモンテッソーリ教育を受けてきた子どもが、小学校へ入学して周りと同じ時間に同じ活動をすることに戸惑いがあったという保護者の声もあります。

しかしながら、「お仕事」の時間に何をするかは子どもの選択に任されますが、何をしてもいい時間ではありません。
他の子を邪魔したりする行為はキチンと注意をされるのです。
自由の中にもルールがあり、お互いの自由を尊重する精神を養うことができるのもモンテッソーリ教育の魅力です。

小学校へ入学したばかりの時は、同じ時間に皆と同じ活動をすることに少し戸惑うことがあるかも知れません。
とは言え、他者を尊重する気持ちを培った子どもは、集団行動にも問題なく適応していくのではないでしょうか。

モンテッソーリ教育は、教師の資質によって効果が大きく変わるみたい・・・

モンテッソーリ教育では、数多くの教具が存在します。
モンテッソーリ教師は教具の使い方や、発達段階に適した利用など系統立てて把握している必要があります。
子どもが何に興味を持っていてその興味を引き出す教具は何か、どのタイミングでどのように提示するか、は一人ひとり違うため、適切に見極めなければなりません。
そのため、モンテッソーリ教師は、相当な技量を求められるのは間違いありません。

モンテッソーリ教育では、専門教師になるための資格がいくつか存在します。
教師の資質は、資格のみで判断されるものではありませんが一つの目安にはなります。
園や教室でモンテッソーリの資格を持った教師がいるかどうかについて問い合わせをするのも良いかも知れません。

まとめ

モンテッソーリ教育を本格的に実践するには、教師側に深い知識や技術が求められます。
しかし大人にとって何よりも大切なことは、子どもをよく観察することです。
まずは子どもの様子を注意深く観察しましょう。
子どもが何に興味を示しているのか、興味をより深めるにはどのような手助けができるのかを見極め、適切な環境を整えることが大人の役割ではないでしょうか。

あなたはこれまで何を学んできましたか?

学ぶというと学校での勉強が連想されますが、習い事や書籍で知識を得る事も立派な学びです。
人は学ぶ事で視野が広がり、人生の可能性が広がります。
ただ、何かを学びたい時、こういった思いを抱いた事はないでしょうか。

「もうすぐ受験だけど、効果的な勉強方法はないかな?」
「子どもに習い事をさせてみたいけれど、どんな習い事がいいかな?」

勉強はしたいけど、どうやって学んでよいかわからない。
お子さまに習い事させている方に聞いてみたいけど、身近に聞ける人がいない。
運良く周りに聞ける人がいればよいのですが、そうも言えないのが現実ではないでしょうか。

学ぶためには本人の努力が必要なものの、その原動力はやはり本人の意欲。
相談できる人がいないだけで、せっかく芽がでた学びの意欲を無くしてほしくないというのが、私たちの根底にある思いです。

そこで学びの芽を育むための情報を提供したいと考えた結果、私たちは当メディア「STUDYCLIP」を誕生させました。

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